森進一さんが「襟裳の春は何もない春です」と歌ったことで有名になった襟裳。本当に何もないのでしょうか。
襟裳周辺や近隣の日高地方を解剖していきます!
この記事で紹介する観光地一覧
襟裳岬
森進一さんの歌で有名。風の街。道央の最南端
六花の森
北海道ガーデン街道の1つ。六花亭の包装紙にもなった庭園
サラブレッド銀座駐車公園
当たり前のように馬がいる景色
二十間道路桜並木
圧巻の桜並木の一本道
豊似湖
上から見たらハートの形。秘境度抜群の湖
二風谷アイヌ文化博物館
アイヌ文化をつなぐ900を超える重要文化財
青文字タップで詳細へGo!
襟裳周辺エリアの特徴
何もないからこそ残るものがある。そう感じさせてくれる襟裳・日高地方。
残っているものは自然だけはありません。そこには文化、歴史、動物など、このエリアだからこそ残り続けてきたものがあります。
襟裳・日高でしか見られない風景・風土に出会い、都会の喧騒や日々の生活を忘れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
青色ピンが今回のオススメ観光地です。タップすると所在地が表示されます。
新千歳空港から二風谷アイヌ文化博物館まではおよそ1時間、札幌からなら約2時間程度です。このエリアを経由して帯広方面や釧路方面へ抜けるのもオススメです。
襟裳周辺エリアの観光地
1.襟裳岬
道東地方の南端に位置し、風が強く吹く襟裳岬。襟裳岬有するえりも町は風の街として親しまれています。
風速10m/sの風が吹く日が260日を超え、時には風速30m/sの風が吹くこともある日本有数の強風地域です。襟裳岬には、風の館という風をテーマにした施設があり、風速25m/sの風を体感することができます。
この襟裳岬は、実は北海道の背骨とも言われる日高山脈の一部とも言えます。それは日高山脈が徐々に標高下げ、陸地としての最終地点であるとされているためです。
ちなみに海に沈んでからもおよそ6kmほど岩肌は続いています。そんなロマンあふれる襟裳岬はアイヌ民族にとって精神・聖地的に重要な場所であることから、国指定文化財「名勝ピリカ・ノカ」にも指定されています。
ゴツゴツとした岩肌と海に緑が大自然の歴史を感じさせてくれる襟裳岬では、日本に定住する唯一のアザラシとされるゼニガタアザラシの群れを見ることができます。
人間にとって到達困難な場所は、ゼニガタアザラシにとっては楽園であり、のんびりと日光浴をしている姿がしばしば見られます。
外からその可愛らしいゼニガタアザラシの様子をみることも可能ですが、風の館の展望ルームから、強風を避けつつ眺めることも可能です。
ただし、このゼニガタアザラシがいるのは春から初夏にかけてのシーズンと言われているので、アザラシが目的の人は時期には注意しましょう。
所在地 | えりも町えりも岬 |
営業時間(風の館) | 09:00~18:00(最終入場17:30) |
料金 | 大学生以上300円,小・中学生・高校生200円 |
2.六花の森
マルセイバターサンドで有名な、銘菓六花亭が運営する庭園。
北海道ガーデン街道の1つで、北海道の気候や景観を生かした北海道らしい個性にあふれた庭づくりを展開する日本を代表する観光庭園です。
この六花の森は六花亭の包装紙のモデルとなる花々がさき、山岳画家・坂本直行によって可愛らしく可憐な雰囲気の花々が描かれました。その実物をぜひ見に行きましょう。
余談ですが、北海道では六花亭の手土産は定番中の定番となっており、六花亭を買っておけば間違いないとされるほど認知度の高い銘菓です。ぜひ、お土産にどうぞ。
六花の森は花々だけでなく、クロアチアの古民家を移築し、ギャラリーとして開放しています。こちらのアートも見ごたえがありおすすめです。
ちなみに北海道ガーデン街道は合計で8か所あり、北は大雪(旭川の北側)、そして南がこの六花の森です。全長250kmにもおよぶ壮大な花畑巡りの最初か最後に立ち寄る場所として訪れるのもよいでしょう。
帯広から約1時間、襟裳岬から約1時間半です。帯広方面の観光とセットの場合に立ち寄るのがベストです。
所在地 | 中札内村常盤西3線249-6 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
料金 | 大人1000円、小・中学生500円、幼児無料 |
3.サラブレッド銀座駐車公園
新冠八景の1つであり、日高地方屈指の景色が眺められる駐車公園。こちらからは美景はもちろん、高台にあるため、サラブレッドの放牧を一望することができます。観光客からすれば何とも不思議な光景ですが、ここではそれが当たり前の景色なのです。
そもそもこの日高地方は競馬ファンにとっては有名な聖地ともいえる場所で、あのオグリキャップの出身地でもあります。一時は競走馬の60%がこの日高地方出身だったと言われている、伝統的な馬産地です。
また、近くにはオグリキャップの功績を称えてつくられた優駿記念館があり、サラブレッドを愛するすべてのファンのために有馬記念をはじめとする優勝肩かけや馬服、記念写真などが展示されています。こちらの施設は無料ですので興味がある方は行ってみましょう。
所在地(駐車公園) | 新冠郡新冠町高江 |
所在地(優駿記念館) | 新冠郡新冠町字朝日 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
4.二十間道路桜並木
全長約7kmにも渡る桜で彩られた直線道路。その本数なんと驚異の約2,200本。さくら名所100選、新・日本街路樹100選、北海道遺産に認定されている圧巻の美景を楽しめる桜の名所です。
その桜の内約70%がエゾヤマザクラであり、北海道の桜です。ちなみに道路のわきにはところどころサラブレッドの生産牧場があり、馬×桜という珍しい光景を眺められます。
JR静内駅近くにはレンタサイクルのお店があるので、自転車で巡るのもおすすめです。
ちなみにこちらの桜の開花時期は5月上旬が目安。ゴールデンウィーク後半に北海道に訪れたなら絶対に見てほしい風景です。
所在地 | 日高郡新ひだか町静内田原・静内御園 |
5.豊似湖
上空から見るとハートの形をしている湖。あの白い恋人で有名な石屋製菓のCMで有名になりました。しかしながら行ったこともなければこの湖の名前を知らない人もたくさんいるのも事実です。
それもそのはずで、この豊似湖へは舗装されていない林道をしばらく進まなければ到達することができず。電車やバスでは到達困難なうえ、車でのアクセスも不便な場所にあるからです。
では、なぜオススメするのか。それは圧倒的秘境感を楽しめるからです。それでいて観光地として最低限の設備(トイレ・駐車場)はあり、決して人が立ち入れない場所ではないのです。
ちょっとマニアックな湖だけに、ここだけを目的として行くのはオススメとは言えませんが、襟裳岬や日高地方からであれば程近くに位置するので、時間があったら寄ってみてはいかがでしょうか。
北海道の秘境を感じるツウな旅。念のためクマには注意してくださいね。
所在地 | 北海道幌泉郡えりも町字本町206番地 |
6.二風谷アイヌ文化博物館
北海道平取町にある二風谷アイヌ文化博物館。現代にアイヌ文化を受け継ぎ、新たな伝統を創造することをテーマに、アイヌの歴史や文化を展示しています。
ここでは北海道の歴史の源泉に触れることができます。この地域の衣食住にまつわるアイヌ生活用具コレクションなどが展示されていて、重要文化財だけで900点を超えます。
白老町に新しくできたウポポイに行かなくても十分に歴史を学び、民族共生について理解を深めることができる、今では穴場なスポットです。
近隣の工房や民芸品店ではアイヌ文様の彫られたアイテムを手に取ることができ、旅のお土産にも困りません。
札幌や函館方面ではなく、襟裳方面に向かう場合はこちらの博物館がオススメです。
所在地 | 沙流郡平取町二風谷55 |
営業時間 | 09:00~16:30 |
料金 | 大人400円,小・中学生150円 |
まとめ
森進一さんの襟裳岬で歌われた「何もない春です」はたしかに言葉のとおり何もないのかもしれません。しかし何もないからこそ残る景色や花々、文化、動物たちに出会えます。
このエリアには人工的な遊び場や華やかな繁華街はありませんが、地球の猛々しさに触れ、人間も地球上の生物の1種類に過ぎないということを感じることができるでしょう。そう感じさせてくれる美しい風景の数々に感動し、そして癒されます。
北海道本来の姿を見に行ってみてはいかがでしょうか。